大学生レポート

【まきボラ2024夏レポートVol.4】|『変化していくために』

大学生サポーターと事業所紹介

はじめまして!宮城学院女子大学4年の工藤楓です。
まちと人とインターン生として今回のまきボラにも参加していました。
そして、「奥松島夏祭り実行委員会」さん、「イトナブ」さん、「のんき」さんの3つのプログラムを担当しました。

▸株式会社アークリンク(奥松島夏祭り実行委員会)とは
奥松島クラブハウスは、日本三景“松島”の奥座敷奥松島に「地域に明かりを灯す」をテーマにスタートしました。「最高の素材を最高に美味しく食べて頂く」をテーマに飲食店の経営や、盆栽庭園など多岐にわたって提供しています。また、イベントの開催などを通じて、奥松島が活気あふれるエリアになるよう運営されています。
奥松島クラブハウス (omch.jp)

▸株式会社イトナブとは
プログラミング教育と開発を軸に活動しています。そして、プログラミングに興味を持ってもらえる「きっかけ」から始まり、「探求」にてプログラミング技術を高め、「活躍」できるまでの発射台を全世界に作るために、地域自治体・大学・高校などと連携を行い、人材育成を実施されています。
株式会社イトナブ (itnav.co.jp)

▸のんき(猟師)とは
活動拠点の宮城県石巻市蛤浜は3世帯の小さな漁村集落で、何もしなければ消えゆくこの土地を持続的に残していくにはという問いに日々トライ&エラーを繰り返し、自分らしいライフスタイルで事業を営んでいます。宮城県石巻市の牡鹿半島にある限界集落を拠点に、狩猟や自伐林業を営みつつ、モノづくりも行っています。
現在は、ジビエ関係の事業を法人化させ、ヤマノメグミ合同会社を設立しています。
エシカルジビエ 〜ヤマノメグミ〜 (dallfreelife.handcrafted.jp)

プログラムの概要

▸奥松島夏祭り実行委員会
2日間に渡って、第1回目の開催となる奥松島夏祭りのスポーツエリアとミニ四駆エリアの運営を行いました。

▸イトナブ
ウォーミングアップとしてタッチタイピングに挑戦した後、プログラミングを行いました。
2日目にはオンライン教材を作成しました。

▸のんき
鹿肉ジャーキーのラベル貼りと、有限な原料である鹿革の端切れを活用するための商品についてディスカッションを行いました。

活動の様子

・奥松島夏祭り

第1回目の開催ということもあり、高校生も初めての奥松島夏祭りを運営側として盛り上げるために二日間取り組みました。はじめに自分たちが楽しむことを大切にしながら、各エリアで子どもたちが安全に楽しい時間を過ごすことができるように活動していました。スポーツエリアでは、受付や遊び方の説明も高校生が行いました。
受付では保護者の方との円滑なやり取りや子どもたちと目線を合わせて話す様子が見られました。
また、ルール説明や見守りだけでなく、周囲に気を配りながら率先して子どもたちに話しかけ、遊んでいる姿が印象的でした。

ミニ四駆エリアではミニ四駆を作る子どもたちを大人とともにサポートしました。
実際に高校生も作ったことがないため、あまり力になれていないという声もありましたが、最後には子どもたちとコミュニケーションをとりながら楽しそうにミニ四駆づくりに取り組んでいました。


今回の奥松島夏祭りでは各ブース運営を行い、高校生は子どもたちが安全に楽しい時間を過ごすことのできる環境づくりに携わりました。
振り返りでは、積極的に来場者の方々とコミュニケーションをとることができた高校生も、子どもたちとのコミュニケーションの難しさに苦戦していた高校生もいました。
学校生活の中では同年代や大人たちと関わる機会は多いとしても、家族など身近なところで自分よりも年の離れた子どもたちと接することがなかった高校生もいます。
そんな中、まきボラを通して実際に子どもたちと関わり、うまくコミュニケーションが取れなかったとしても、円滑なコミュニケーションや子どもたちに楽しんでもらうために、試行錯誤をして実際に行動した自分に目を向けて、この経験で得られたものを今後につなげてほしいと思います。

・イトナブ

まずタッチタイピングに取り組んだ後、担当者の方から教わりながら、ホームページの作成を行いました。
分からない時には高校生同士で教え合う様子がみられ、大学生としてもそういった高校生同士のつながりも大切にしようと心がけていました。
しかし、緊張もあるのか担当の方へ質問することが高校生にとってハードルが高いように感じました。
そんな中で、どんなことでも質問することが大切だと高校生に伝えていただき、高校生が少しずつ質問できるようになり、短い時間の中でもきっかけひとつで変化していく高校生の姿をみることができました。

それだけでなく、高校生のまずは自分の力で調べながら取り組もうとする姿勢や、サポーターとして会話しながら、プログラムが進んでいくにつれて前のめりになって取り組んでいる姿が見られたことは大きな変化で、この感覚は高校生が考える「学び」の幅を広げる意味でも、よい刺激になったのではないかと考えています。
また、最初はタイピングが思うようにできなかった高校生も休憩時間を活用しながら記録を更新している様子をみていて、本人が前のめりになって楽しく学ぶことの重要性を改めて実感することのできる2日間でした。
そして、最終日のオンライン教材づくりでは、高校生が自分の好きなもの、求めているものや印象に残っているゲームから着想を得て制作し、発表することができていました。
全体の振り返りではもっとこうしたい、また作りたいという声が上がっており、この活動をきっかけに自分の好きを見つけ、自己理解を深めていってほしいと思います。

・のんき

はじめにジャーキーのラベル貼りに取り組み、その後鹿革の端切れを使った商品についてのディスカッションを行いました。
高校生は丁寧に作業をしながら、担当者との会話する場面も多かったため、和やかな雰囲気での活動でした。

作業の途中、ラベルを貼ったジャーキーがふるさと納税にも出されるという話が出てきたときには、高校生もまきボラを通じてのんきはもちろんのこと、見えない人たちにも貢献することができていることを知り、嬉しそうにしていました。

このように自らが選択し、参加したボランティア活動を通じて、社会とつながることができているという感覚は、高校生にとって大きな経験になったと感じています。
また、学校だけでは関わることのなかった大人とつながり、新たな価値観に触れることで自分自身がどんな大人になりたいのか、どのように自分らしさを確立していくのか考える機会になったのではたいでしょうか。
また、作業だけではなく、身近にいる大人からこれまでの歩みをお話ししていただくことで、高校生やサポーターである私自身も今後の選択肢を広げるきっかけになったと感じています。
最後に行った鹿革の端切れを使った商品についてのディスカッションでは、高校生ならではの視点でアイデアを出すことができていました。
はじめて触れた鹿革がどんな姿に変化できるのか考え、鹿革の可能性を広げるべく自分の好きなこと、身近で必要なものなど様々な角度から鹿革と向き合っていた姿が印象に残っています。

おわりに

何かをしたい、何をしたのかまだ分からない、どんな状況にいる人でも、まずは手の届く範囲で自分の興味関心を見つけて、行動していくことが大切なのではないかと考えています。
ささやかな挑戦であっても、自分の意思で取り組んだ活動は今後の行動力を支えるひとつの要素となります。自信を持つことのできるような成功体験はもちろん、上手くいかないという経験も大切です。
まきボラに参加してくれた高校生のみなさんにも、漠然とこうしたい、こうなりたいと考えるだけでなく、アクションを起こしてみてほしいと思います。そして、人が変化していくきっかけは、自分の持っていない価値観をもつ人との出会いにあるのではないかと考えています。実際に私自身も年齢関係なく、高校生の姿から学び、今後どんな人間でありたいのか、将来何をしたいのか自己理解を深めることができました。
今後もまきボラに限らず、高校生のみなさんのきっかけづくりを支えていきます。

まきボラの受け入れにご協力くださった事業所の皆様に感謝申し上げます。
ありがとうございました!

関連記事