大学生レポート

【まきボラ2025夏レポートVol.1】|『“伝える”って難しい』

大学生インターンと事業所紹介

こんにちは!
宮城大学食産業学群2年の伊藤歌音と申します。
まちと人とでは長期インターン生としてまきボラの運営に関わらせていただいています。

↑まち人スタッフの誕生日をお祝いした時の写真です

私は今回で3回目のまきボラ参加となります。
今回、公益社団法人3.11メモリアルネットワークさんのまきボラを担当しました。

公益社団法人3.11メモリアルネットワークとは

3.11メモリアルネットワークは、東日本大震災の教訓を地域や世代を超えてつなぎ、全国・世界に発信している団体です。
「災害で命が失われない社会の実現」「被災者や被災地域の苦難を軽減し、再生に向かうことのできる社会の実現」の実現を目指して活動しています。
3.11メモリアルネットワーク
震災の語り部、教育旅行、被災地リーダーシップ研修(3.11メモリアルネットワーク) » MEET門脇 OPEN

活動の記録


東日本大震災で甚大な被害を受けた門脇地域を実際に歩き、地域の方々から当時の経験や思いを伺い東日本大震災について学びました。最終日には、自ら作成した原稿を用いて、災害について学びに訪れた方々に向けて MEET門脇でボランティアガイドに挑戦しました。このまきボラに参加してくれたのは高校3年生が3名、高校1年生が1名でした。震災当時は3歳と1歳。それぞれ様々な思いでこのまきボラに参加してくれました。

1日目:東日本大震災について学ぶ
1日目は、東日本大震災で大きな被害を受けた門脇地域の歴史や震災当時の状況、そして現在について学びました。
最初に 石巻市震災遺構門脇小学校 を訪れ、語り部ボランティアをしている大学生のガイドを聞きました。門脇小学校は、津波とその直後に発生した津波火災により甚大な被害を受けました。高校生たちは大学生のガイドの話に耳を傾け、熱心にメモを取っていました。私自身は今回で2回目の見学でしたが、何度訪れても震災の恐ろしさを強く感じます。

その後、語り部の 石川芳恵さん から震災前の門脇地域についてお話を伺いました。石川さんは当時門脇にお住まいで、ご家族との思い出を語ってくださいました。今では想像できないほど多くの人々が暮らし、それぞれに大切な記憶があったことを改めて考えさせられました。高校生も真剣に耳を傾け、ときには笑いも交えながら有意義な時間となりました。

最後に、震災当時門脇小学校の校長先生であった 鈴木洋子先生 の講話を聞き、1日目の活動を終えました。

2日目:伝える準備
2日目の午前中は「石巻南浜津波復興祈念公園」と「みやぎ東日本大震災津波伝承館」を訪れました。震災前後の写真を見ながら実際に現地を歩き、復興の歩みを体感しました。伝承館では、当時東松島市立大曲小学校の教頭先生であった荒明先生からの講話も伺いました。


午後は、いよいよボランティアガイドに向けた原稿づくりです。まずは、3.11メモリアルネットワークの藤間さんによるガイドを聞き、高校生たちは自分ならどう伝えるかを考えながらたくさんメモを取っていました。その後、自分たちの言葉でガイド原稿を作成。高校生ならではの視点や想いをどう伝えるか悩みながらも、一生懸命に言葉を紡ぎました。最後はお互いの原稿を披露し合い、多少間違いはあれども初めてとは思えないほど完成度の高いガイドが出来上がりました。

↑原稿作成中

↑リハーサル中

3日目:ボランティアガイド本番
3日目は、いよいよ本番。リレー形式で4人が力を合わせ、来場者の方にガイドを行いました。開始前は緊張していましたが、いざ始まると堂々とした姿で、前日の練習よりもさらに磨かれたガイドになっていました。

ガイドを重ねるごとに「次はこうしてみよう」と工夫を取り入れ、自分たちのガイドに満足することなく、より良いガイドを目指す姿勢が見られました。その試行錯誤の積み重ねによって、内容はどんどん洗練されていきました。
来場者の方々も真剣に耳を傾け、高校生の完璧ではないけれど想いがこもったガイドにうなずきながら聞いてくださいました。最終的には、4人で合わせて50分にも及ぶガイドとなり、まきボラ史上最多となる8組32名 の方々を案内しました。

↑最後にみんなで集合写真!

3.11メモリアルネットワークのブログには今回まきボラに参加してくれた高校生の感想文が掲載されています。感想文は下記URLよりお読みいただけます。ぜひご一読いただけますと幸いです。
震災の語り部、教育旅行、被災地リーダーシップ研修(3.11メモリアルネットワーク) » 高校生ボランティアガイド

活動を終えて

3日間を通して高校生たちは震災について学び、多くの人の想いを受け取り、そして自分たちの言葉で「伝える」ということに挑戦しました。人に自分の想いを伝えるのは、本当に難しいことです。
実は私も今回のまきボラで、一度だけガイドを体験させていただきました。しかしガイドは想像以上に難しく、伝えたいことがあってもなかなか言語化できませんでした。私自身、人に想いを伝えることがあまり得意ではありません。
けれども、今回のまきボラで高校生の姿を見てきた中で改めて、上手に話せなくても伝えたい想いがあれば必ず相手に伝わるということに気づかされました。
伝えることは難しいことです。でも、この3日間で挑戦した高校生たちは確かにそれを実行していました。その姿は、私自身にとっても大きな学びとなりました。
高校生のみんなには、ガイドで想いを伝えられたことに自信を持って、これから先の自分の道にもつなげていってほしいと思います。

また、私は今回で3回目のまきボラでした。運営に関わる中で感じるのは、このプログラムほど「まちの良さ」を深く知れるボランティアは他にないということです。地域に出なければまちの魅力も知ることができません。そもそも石巻のまちには魅力がないと思っている高校生が少なからずともいます。私もその一人でした。まきボラは、まちに出会い、地域の魅力やまちの人のあたたかさ、そして人とのつながりに気づけるとても貴重な機会だと思います。
まきボラに参加してくれた高校生には、ぜひこの経験を自分のこれからに生かしてほしいです。
私もまきボラを通して生まれるつながりをこれからも大切にしていきたいと思います。

さいごになりますがまきボラ2025夏の開催にご協力くださいましたすべての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました!
またどこかでお会いしましょう!!

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